INTELLIGENT_TIERINGストレージタイプはコールドデータとホットデータの階層分離メカニズムをご提供します。ユーザーデータへのアクセスパターンに応じて、データのホット階層とコールド階層を自動的に切り替えることで、ユーザーデータのストレージコストを削減することができます。
INTELLIGENT_TIERINGストレージは、アクセスパターンが固定されていないデータや予測不可能なアクセスパターンのデータに適しています。標準ストレージと同等の低レイテンシー、高スループットの製品体験を、標準ストレージよりも低いコストでユーザーにご提供します。ユーザーはビジネスニーズに応じて、アクセスパターンが固定されていないデータを標準ストレージタイプからINTELLIGENT_TIERINGストレージタイプに変換し、クラウドのストレージコストを削減することができます。
注意:
- INTELLIGENT_TIERINGストレージタイプは現在、北京、南京、上海、広州、成都、重慶、東京、シンガポールリージョンでのみサポートしています。INTELLIGENT_TIERINGストレージ(マルチAZ)タイプは北京、上海、広州、シンガポールリージョンでのみサポートしています。
- INTELLIGENT_TIERINGストレージタイプは独立したストレージタイプであり、ご利用の際はINTELLIGENT_TIERINGストレージ容量料金およびINTELLIGENT_TIERINGオブジェクト監視料金が発生します。このうちINTELLIGENT_TIERINGストレージ容量料金については、INTELLIGENT_TIERINGストレージ容量パッケージから差し引くことができます。課金に関するより詳しい情報については、製品価格をご参照ください。
ユーザーがデータをアップロードする際に、INTELLIGENT_TIERINGストレージタイプを選択してCOSに保存すると、COSはデータへのアクセス回数を定期的にモニタリングし、一定期間データへのアクセスがない場合、データをよりストレージコストの低いアクセス層に 移動させます。データが再びアクセスされた場合は、再び高頻度アクセス層に移動させることで、データの読み取りパフォーマンスを保障します。INTELLIGENT_TIERINGはコールドデータとホットデータの階層分離ストレージにより、ユーザーがストレージコストと読み取り/書き込みパフォーマンスの最適なバランスをとることができるよう支援します。INTELLIGENT_TIERINGストレージの利用には次のようなメリットがあります。
データをINTELLIGENT_TIERINGストレージタイプとしてCOSに保存するには、まず初めにバケットでINTELLIGENT_TIERING設定を有効にする必要があります。有効にした後、オブジェクトをアップロードする際にストレージタイプをINTELLIGENT_TIERINGストレージタイプに指定すれば利用できます。
ユーザーは次の手順を参照し、オブジェクトをINTELLIGENT_TIERINGストレージタイプとして保存することができます。
注意:バケットのINTELLIGENT_TIERINGストレージ設定は有効にすると無効化できませんので、慎重に設定してください。
ユーザーは次の手順を参照し、アップロード済みの既存データをINTELLIGENT_TIERINGストレージタイプに切り替えることができます。
次のAPIによってINTELLIGENT_TIERINGストレージを直接設定できます。
現在COSが公開しているSDKは、すべてINTELLIGENT_TIERINGストレージタイプの使用をサポートしています。具体的な方法は、ファイルをアップロードする際にStorageClassパラメータをINTELLIGENT_TIERINGおよびMAZ_INTELLIGENT_TIERINGに設定し、INTELLIGENT_TIERINGストレージおよびINTELLIGENT_TIERINGストレージ(マルチAZ)への直接転送を実現するものです。オブジェクトのアップロードのSDKドキュメントについては、SDKの概要をご参照ください。
INTELLIGENT_TIERINGストレージの利用には次のような制限があります。
INTELLIGENT_TIERINGストレージにはINTELLIGENT_TIERINGストレージ容量料金とINTELLIGENT_TIERINGオブジェクト監視料金が含まれます。その内容は次のとおりです。
説明:
- 標準ストレージ、低頻度ストレージ容量料金はパブリッククラウドリージョンごとに金額が異なります。具体的な価格については、製品価格をご参照ください。
- ファイルのアップロードおよびダウンロードの過程ではさらにリクエスト料金とトラフィック料金が発生します。これらの料金計算の例については、トラフィック料金の課金の例およびリクエスト料金の課金の例をご参照ください。
事例
ある企業に1TBのファイルがあり、各ファイルはいずれも64KBより大きく、ファイル数は計10万ファイルで、データはINTELLIGENT_TIERINGストレージタイプとして北京リージョンに保存され、低頻度アクセス層への切り替え期間を30日に指定しているとします。30日ごとに20%のファイル(すなわち2万個のファイル)が低頻度層に移行すると仮定した場合、30日あたりのオブジェクト監視料金およびストレージ料金は下表のとおりとなります。
説明:
下の表内の北京リージョンのオブジェクト監視料金月単価は0.25米ドル/1万オブジェクトであり、「1日単価 = 月単価/30」の換算ロジックに基づき、1日の単価は0.00833333米ドル/1万オブジェクト/日となります。
ストレージ日数 | 30日あたりのオブジェクト監視料金(米ドル) | 30日あたりのINTELLIGENT_TIERINGストレージ料金(米ドル) | 30日あたりの標準ストレージ料金(米ドル) |
---|---|---|---|
30 x 1 | 0.25米ドル/1万オブジェクト x 10万 | 1024 x 0.024 / 30 x 30 = 24.58 | 1024 x 0.024 / 30 x 30 = 24.58 |
30 x 2 | 0.25米ドル/1万オブジェクト x 10万 | 819.2 x 0.024 / 30 x 30 + 204.8 x 0.08 / 30 x 30 = 23.35 | 1024 x 0.024 / 30 x 30 = 24.58 |
30 x 3 | 0.25米ドル/1万オブジェクト x 10万 | 655.36 x 0.024 / 30 x 30 + 368.64 x 0.08 / 30 x 30 = 22.36 | 1024 x 0.024 / 30 x 30 = 24.58 |
30 x 4 | 0.25米ドル/1万オブジェクト x 10万 | 524.288 x 0.024 / 30 x 30 + 499.712 x 0.08 / 30 x 30 = 21.58 | 1024 x 0.024 / 30 x 30 = 24.58 |
30 x 5 | 0.25米ドル/1万オブジェクト x 10万 | 419.4304 x 0.024 / 30 x 30 + 604.5696 x 0.08 / 30 x 30 = 20.95 | 1024 x 0.024 / 30 x 30 = 24.58 |
30 x 6 | 0.25米ドル/1万オブジェクト x 10万 | 335.54432 x 0.024 / 30 x 30 + 688.45568 x 0.08 / 30 x 30 = 20.45 | 1024 x 0.024 / 30 x 30 = 24.58 |
このように、保存期間が長くなるにつれて、30日ごとに少額の監視料金を支払うだけで、それ以外のコストが明らかに低下することがわかります。
INTELLIGENT_TIERINGストレージはオーディオビデオ、ログなどの、平均ファイルサイズが比較的大きく、かつアクセスパターンが固定されていないファイルに適しています。平均ファイル容量が大きくなると、ファイル1GBにつき支払う必要がある監視料金は安くなります。業務上、アクセスパターンが比較的固定されている場合は、ライフサイクル設定によって、低頻度ストレージに移行する時間を指定しておけばよく、INTELLIGENT_TIERINGストレージを使用する必要はありません。
次の2つの方法で、ファイルをINTELLIGENT_TIERINGストレージとして保存することができます。
注意:INTELLIGENT_TIERING系の64KB未満のファイルは、常に標準層に保存されます。そのため、コストダウンのために、必要に応じて、64KB未満のファイルを標準/低頻度/アーカイブ/ディープアーカイブなどのストレージタイプで直接アップロードすることをお勧めします。
INTELLIGENT_TIERINGストレージは有効にすると無効化することはできません。ファイルをINTELLIGENT_TIERINGストレージとして保存する必要がない場合は、ファイルのアップロード時に、ファイルストレージタイプを標準ストレージ、低頻度ストレージ、アーカイブストレージ、ディープアーカイブストレージなどの、INTELLIGENT_TIERINGではないストレージタイプを指定してください。
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